ブログ

【逆子(骨盤位)に対する治療】 東 理 先生

逆子(骨盤位)に対する鍼治療経験とその有効率に関する考察

 

症例1)
28歳女性 経産婦

主訴)
逆子(骨盤位)

既往歴)
24歳での初産は骨盤位のため帝王切開

病歴)
今回の妊娠も経過順調だったが、妊娠7か月で骨盤位であった。
既往に帝王切開があったため、妊娠8か月以降に骨盤位が持続していても、産科的外回転術の適応とはならないとのことであった。
自然に頭位に復することもあると聞いたので、自分で胎位矯正体操をしていたが、8か月になっても戻らないため鍼治療を希望して来院した。

治療と経過)
至陰・三陰交・足三里に刺鍼し、留置針を加えた。
2週間後産婦人科を受診したが、胎位は変わっていなかった。
そこで、少沢を加え、自宅で至陰・三陰交・足三里・中極にお灸をするように指示した。
その後、受診がなかったが、3か月後、乳児の湿疹のことで来院した際、頭位で分娩できたとの報告を聞いた。

 

症例2)
23歳女性(当院職員) 初産婦

主訴)
逆子(骨盤位)

病歴)
妊娠7か月頃、性器出血があり入院となった。
出血は止まり、その後の経過は順調であったが、胎児は骨盤位であった。
性器出血を経験していたため、産科的外回転術は施行されなかった。
頭位に復さず、そのまま9か月目近くなったため、当院に連絡があり、相談を受けた。

治療と経過)
至陰・三陰交・足三里・少沢に刺鍼した。
入院中であったためお灸はできず、留置針を施し、さらに随時自分でもむように指示した。
3日後、産科でのエコー検査で、頭位に戻ったと判明し、無事、経腟分娩で男児を出産した。

考察)
産科統計では、骨盤位は妊娠7か月までは約30%、8ヶ月で約15%、9ヶ月で6~7%程度みられ、最終的に骨盤位のまま出産を迎えるのは3~4%とされます(下図参照)。


即ち、自然に頭位に復する場合がかなり多く、骨盤位に留まる割合は1か月当たりおよそ半分ずつ低下していきます。
例えば、8か月目で骨盤位である妊婦10人の内7-8人程度は自然に頭位に復するといえます。
従って、上記症例が実際に鍼治療で効果があったのかどうかは、言うまでもなくこの2例だけでは明らかではありません。

ただ、これら2症例のほか、もう少し以前に5例(3例は妊娠8か月、2例は9か月)の骨盤位治療で、妊娠9か月の女性の内一人は頭位に復せず帝王切開となりましたが、他の4例は頭位に復しました。

計7例で見ると8か月以後で6/7が頭位に復しました。
ちなみに、産科で行われる超音波エコー下外回転術は上記症例のように適応とならない症例もあります。
また、適応例での成功率は60-70%とのことですが、胎児リスクが全くないわけではなく、経過観察のため入院を要します。
針灸手技は簡便で副作用もなく、妊婦の精神衛生にも有益であるため、非常に有用な治療選択枝と考えます。

 

滋賀 かりゆしクリニック 東 理 先生

関連記事

ページ上部へ戻る